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【インタビュー】今、教育の創り手になるVol.6「大切な人たちが立ち止まったときに『あなたはとても素敵だよ、あなたを思っているよ』と伝えたい」

社会に開かれた、次世代の教育のあり方が模索されている、昨今。異なるフィールドから、新たな教育の「創り手」側に飛び込もうとしている人もいます。このインタビューではLX DESIGNの仲間を紹介し、その素顔、本人を突き動かす動機や挑戦にかける思いに迫ります。

今回は、人事・採用と「#複業先生コミュニティ」の運営に携わる小島杏奈(34)を取り上げます。2022年から複業でLX DESIGNに携わり始め、2024年6月からは正社員として働く小島。LX DESIGNに携わる思いを聞きました。

“こうあらねば”の呪いを振り解き、人間パワースポットになりたい!

話していると思わず笑顔になってしまう。心を開いて、つい自分の話をしたくなる。――そんな柔らかな雰囲気を醸し出している、小島杏奈(以下、小島)。

目指すは“人間パワースポット”になること、と満面の笑みを浮かべて語ります。

「私と出会ってくれた人たちが、なんだかわくわくしたり、力を感じたり、自分自身と向き合うことができたりする。まるでパワースポットを訪れたときのように……。そんな人間になりたいなって」

負けず嫌いで頑張り屋さん。その裏には、いつも誰かの価値観にとらわれていたり、自信が持てなかったりと、ネガティブな面があるとも。

たとえば、“女性として、結婚し、子どもを産む人生を歩まなければいけない”というプレッシャーを感じ、年齢とキャリアの間で悩んだこと。また“頑張っていないと、自分には価値がないのではないか”と不安に苛まれ、スケジュールに空白があると、これでは足りない、もっと頑張らなきゃ、と焦った経験があると言います。

多くの人が、こうした思い込みや不安に悩んだことがあるはずです。近年、女性の生き方や働き方は多様化し、選択肢は広がりました。しかし同時に、SNSで他者の人生と自分の人生を比較する機会も増えています。どれだけ選択肢があっても、テクノロジーが発達しても、私たちの周りにはいつも“こうあらねばならない”という呪いが潜んでいるとも言えます。

「『こうあらねばならない』ではなく『私は、こういう生き方を選んで幸せ』と自信を持っていたい。自分の未来に、わくわくできる人間でありたい」

そんな“ありたい自分”を思い描く小島。彼女が見つめる先にはいつも、顔の見える大切な誰かの存在がありました。

その原点は3歳のときまで遡ります。

“顔の見える誰か”を想像して、ひと針ひと針縫う幸せ

子どもの頃から好きだったのが、裁縫。大好きだったお人形にお洋服をつくったのがはじまりだったといいます。

「大好きなお人形のめめちゃんが裸だったので、かわいそう、何か着せてあげなきゃ、と思って(笑)。祖母に教わって、手縫いで洋服をつくりました。それが私の、一番古い記憶。3歳だったから針を持たせるのも危なっかしくて、周りは相当ひやひやしたんじゃないかな」

大好きなめめちゃんのために、ひと針ひと針、集中して縫った経験は、小島に“大事な誰かのことを思いながら、手を動かす幸せ”を教えました。それ以降、大好きな友達のために、ものをつくるのが習慣になったといいます。

「小学生になってからも、よく友達にものをつくってプレゼントしました。好きな子に振られて落ち込んでいる友達に『大丈夫、あなたはとっても素敵だよ』という気持ちを込めて、うさぎのマスコットを縫って。受験をがんばる友達には、おまもりを。手縫いでものをつくって贈ることが、私にとっては気持ちを伝える大事な手段だったのでしょうね」

好きなことをもっと学びたい、と大学では服飾美術学科に進みます。しかし周りは、服づくりに情熱を持った人たちばかり。一方、小島はというと「自分は“顔の見える誰か”に向けて、ものをつくることが好きだったのだと気づきました。不特定多数の人たちに向けて、となると、なかなかときめかなかった」。

就職の時期が近づくも、服づくりを仕事にするイメージは持てませんでした。当時アルバイトで接客業に熱中していたことから、服と接客の接点は?と考え、ブライダルのドレスショップに就職。

「とにかく就職できれば、という思いだったので、最初に内定をいただいた会社に就職して。今思えば、そんなに深く考えずに自分の進路を選んでいました」

なぜ、就職の時期になると自分を諦めてしまうのだろう?

4年勤めたあと、縁があって人財会社グッド・クルーに転職。採用担当となり、多くの大学生と関わる機会を得たそう。

「小中高大と、家族や教員以外の大人たちと関わる機会が少なく、社会に出てどんな仕事があるのかもよくわからない。そんな大学生たちが、就職活動の時期になって、慌てて自分のやりたいことをつくり出したり、本音で言えば大してやりたくはないけれど『働くとは、そんなものだろう』と諦めの気持ちで仕事を選んでいったりするのを、たくさん見ました。その結果、入社後のアンマッチで離職していく……。

自分もふんわりした気持ちで就職先を選んだ経験があったからこそ『なんかおかしいな』という気持ちが湧きました。もっと早い段階から、自分の未来についてわくわく考えられる機会があればいいのに。それって何だろう。教育かな?と考えたりしました」

そんなとき、LX DESIGN代表の金谷智との出会いがありました。何度か話すうち、小島は何気なく「裁縫が好きで、いつか裁縫教室をやってみたい」と打ち明けました。ずっと心の中にあった気持ちでしたが、現実的に動きだしているわけではなく、“いつかできたら”と夢のように思っていたことでした。しかし、その話をしたあとの金谷の反応に、驚いたといいます。

「めっちゃいいね、素敵だね、と絶賛したあとで『やるとなったら、僕は全力で協力するから』と言ってくれたんです。本当に私がそれを実現すると、信じて疑わないような態度でした。わーっ、夢って口に出して誰かに言ってもいいんだな、と嬉しくて」

2022年1月頃から複業でLX DESIGNの人事や採用面を手伝い始めた小島。LX DESIGNの掲げる「すべての人が自分らしい人生をデザインできる世界を」というビジョンに、何より共鳴したのだそう。

「就職の時期が来たからと自分を捨てて社会に染まるのではなく、自分の『好き』や自分らしさを出発点にして、社会とどのように接点を持つかと自分でデザインしていく。自分がもやもやしていたことに対するひとつの解のように感じました。

それ以上に、私にとってはこのビジョンが、自分が“こうありたい”と思う姿に通じているように感じられたのです。私はいつも笑顔で明るいイメージを持たれることが多いのですが、その裏では、こうあるべきという誰かの価値観にとらわれたり、人と自分を比べて自信がなかったりといった面があることも自覚していました。“自分らしい人生を”と心から思えたら、自分の未来にワクワクできるだろうな。大人がワクワクしながら生きていたら、子どもたちにとっての希望になるだろうとも考えました」

自分がありのままに存在していることが、周りの幸せやこれからを生きる次の世代の希望につながっていく。そんな循環を生みたい。会社のビジョンを通じて、自分のありたい姿に気づいたのです。

コミュニティは一人ひとりの「自分らしい人生」に寄り添う場

そして今、小島はLX DESIGNでの仕事に軸を置くように。人事・採用の仕事にくわえて、「#複業先生コミュニティ」の運営にも携わっています。このコミュニティは複業先生同士が交流・連携・育成し合うだけでなく、自分自身のキャリアを見つめるきっかけを提供する場所。ここでも“顔の見える一人ひとり”に寄り添いたいというのが、小島の思いです。

「複業先生一人ひとりの人生にフォーカスを当てたいです。どんな人生を送ってきたのか。どんなことに幸せを感じるのか。このコミュニティを通じて、複業先生一人ひとりが自分らしく生きるために叶えられることがあれば、全力で取り組んでいきたいです」

そして、自身が共鳴したLX DESIGNのビジョンやカルチャーを、多くの人たちに伝えていきたいとも語ります。

「これから企業としての規模が拡大していく中で、仲間が100人、200人とどんどん増えていくでしょう。どれほどスケールしても、LX DESIGNのカルチャーを色濃く継いでいくことに、人事・採用の面から挑戦していきたい」

いつか実現したい裁縫教室。小島は「私がやるなら、みんなで同じものをつくりながら裁縫の仕方を教えるのではなく、それぞれがつくりたいものをつくれる裁縫教室にしたいかな」と嬉しそうに未来を想像します。

「何をつくってもいいよ。縫い目がぐちゃぐちゃでもいいんだよ。『誰かのことを思いながら、ひと針ひと針、縫っていく』ってこんなに幸せなんだ、そのことを多くの人に感じてもらえる場を、いつか……つくれたらいいなあ」

そんな彼女にとって、コミュニティという場づくりも、企業にとって大切な財産である人を生かす人事の仕事も、あの日のものづくりに通じているのでしょう。「あなたはとても素敵だよ。あなたを思っているよ」と、大切な誰かに伝えるように。

取材・文/塚田智恵美


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