授業実施レポート
【社会人キャリア講演】スポーツコーチ・国際協力コンサルタント・エンジニア・フリーランスの複業先生が登壇!@静岡県下田市立下田中学校

本稿では、中学生の子どもたちに向けて静岡県下田市立下田中学校で行われた「社会人キャリア講演」についてご紹介します。今回のキャリア講演は、我々株式会社LX DESIGN(以下:LX)が主催しています。

今回登壇してくださった4名の複業先生は、チアリーディングコーチ、国際協力キャリアコンサルタント、エンジニア、フリーランスと多種多様です。それぞれの複業先生は、現在のキャリアに至った経緯や仕事で大切にしていることなどについて語りました。今回ご登壇いただいた複業先生のプロフィールは以下の通りです。

チアリーディングコーチ 山田弥生子氏 1987年大阪府生まれ東京育ち。上智大学比較文化学部卒業後、酒メーカーに9年勤務。大学在学中にチアリーディングを始め、2013年に指導者資格を取得。脱サラし大阪体育大学大学院に進学。2022年より日本体育大学助教。スポーツメンタルトレーニング指導士、日本スポーツ協会コーチデベロッパーも務める。

ITエンジニア 上田晃平氏 富山県生まれ信州大学出身。新卒で地元の企業へ就職するも、2年後には都内の企業へ転職。現在は基幹システムの改修や人事システムの新規導入に従事。2022年11月、友人と富山県内の空き家を活用した民泊施設を作る会社を共同創業。

国際協力のキャリアコンサルタント 田中信行氏 高校3年の時に国際協力を志し、大学で国際協力を学ぶ。卒業後、国連系NPO法人などの勤務を経て、青年海外協力隊に参加。帰国後、国際協力の専門出版社に就職。国際協力のキャリア情報誌『国際協力キャリアガイド』の編集長を務める。現在は、キャリアコンサルタントとして国際協力のキャリアを目指す人の後押しをする「サスコン」の代表を務めている。

株式会社しもズブ 代表取締役 藤井瑛里奈氏 1996年、埼玉生まれ。大学では教員とスポーツトレーナーを目指して学業に励む。卒業後は、デザイナー×カメラマンとしてフリーランスに。2020年7月に静岡県下田市でのプロジェクトをきっかけに、埼玉から下田へ移転。最初は2週間のみの滞在予定だったが、下田の町が大好きになり、2020年10月に下田を好きになる人を増やす会社「株式会社しもズブ」を設立。

「スポーツにかかわる仕事」ってどんなもの?

1人目の複業先生は、チアリーディングコーチを務める山田弥生子氏です。現在は、チアリーディングコーチだけでなく、スポーツ心理学の研究をしたり、チアリーディング協会でチアリーディングの普及活動も行ったりしているとのこと。

今回の講演で山田氏は、幅広い視点から「スポーツにかかわる仕事」について語りました。

「私はもともと、チアリーディングを広めたい、何かを教える仕事がしたい、サラリーマン以外の仕事がしたい、心理学にかかわる仕事がしたいなど様々な興味関心がありました。自分なりにキャリアを模索する中で、コーチの資格を取得したり、行政の市民公募委員を経験したり、大学院に入学したりして現在の仕事にたどり着きました。」

続けて山田氏は「スポーツにかかわる仕事」といっても、多種多様であると説明します。

「実は、皆さんの世代ではまったく知らない仕事が世の中には沢山あります。自分の世界を広くするためにも、本を読んだり、インターネットで調べてみたりするなど、小さなことでも体験し視野を広く持ってチャレンジしてほしいです。」

また山田氏は、英語力がこれからの時代に必要不可欠であると続けました。

「本やインターネットで情報を調べる際に、日本語より英語の文献の方が多いんです。他にも、海外の選手やビジネスマンたちとコミュニケーションを取るのに英語はとても役立ちます。」

このように山田氏の講演では、本やインターネットで積極的に情報を集め、英語力を磨くことが重要であると語られました。

キャリアパスのキーワードは「国際協力」

キャリア講演に登壇した2人目の複業先生は、田中信行氏です。田中氏は、大学卒業後から国際協力に関する様々な仕事を経験し、現在はアフリカと東南アジアの国々を発展させるための国際協力に関するキャリアコンサルタントに従事されています。

田中氏は講義の冒頭「失敗しても大丈夫、人生やりたいことをやった方が良い」と話し始めました。

「僕が今のキャリアにたどり着いたきっかけは2つあります。1つ目は、高校3年生の時にテレビでアフリカを見たことです。その時に、初めてアフリカの現状を知り、漠然とアフリカにかかわる仕事がしたいと思いました。時が経ち大学では、国際協力を勉強しました。大学2年生のときには、国際協力を海外の現場で体験したいと考え、アフリカのルワンダに行ってみたんです。ルワンダに実際に訪れたことで、漠然と抱いていた夢が目標に変わりました。」

大学卒業後は、NPO法人での勤務などを経て青年海外協力隊になり、再度アフリカの地で国際協力の活動を2年間行ったという田中氏。しかし田中氏は、今までの経験をどうすれば今後のキャリアにつなげられるか不安に思っていたと語ります。

「キャリアを模索していた私ですが、現在のキャリアに至るまでに決断の軸となった言葉が3つあります。」

1つ目は「日本には様々なセーフティーネットがあるから、失敗してもなんとかなる。それだったらチャレンジした方がいい」という言葉。2つ目は「好きなことを仕事にしたほうがいい。大人は好きなことを仕事にするのは難しいとよく言うけど、好きではないことで成功するほうが難しい」という言葉。3つ目は「自分のやりたいことが分からないときは、好きなことを探すのに一生懸命になればいい」とのことです。

田中氏は講義の最後に、「やりたいことを持ちつづけているといつか実現できる。だから、好きなことを磨いていった方がいいよ」と自分の好きを見失わない重要性を伝えました。

「面倒くさがり」の短所が長所に変わるITエンジニアの仕事

キャリア講演に登壇した3人目の複業先生は、システムエンジニアの上田晃平氏です。現在、業界大手のIT企業で数億円規模のプロジェクトを遂行しているとのこと。

「今日は私の現在の仕事についてお話します。私がエンジニアになった理由は3つあります。1つ目は、エンジニアになれば会社を辞めても一人で独立して生きていけるスキルが身につくと考えました。また就職のタイミングでちょうどITブームが到来し、時代に乗ってみようとも思いました。さらにエンジニアの働き方に、自分の性格が合うと感じたんです。

エンジニアに向いている人って、頭のいい人や数学が得意な人だと思うかもしれませんが、実は私のように『面倒くさがり屋』の人が一番エンジニアに合っていると思います。」

上田氏は、「面倒くさい」という考え方は一般的にネガティブな意味で使われるものの、エンジニアの世界ではポジティブにとらえられると語ります。

「例えばみんなの生活の中で、部活のスケジュール表を紙に書いていて全体に共有することが面倒くさいと思っていたとしましょう。でも、紙に書く面倒くささをなくすためには、LINEで一斉送信することで解決できますよね。」

上田氏によると日常の面倒くさいことに目を向けて、新しい発想が出来る人が「出来るエンジニア」と言われるそうです。また講義の最後に上田氏は、夢の見つけ方を語りました。

「お手本となる人を見つけると、夢を見つける第一歩につながると思います。お手本となる人を見つけるには、学校の外にある情報にアクセスしたり、様々な大人と接点を持ったりするといいと思います。」

上田氏は、「情報を知ることだけに満足せず、実際に一歩踏み出すことに意味があります」とメッセージを残して講演を終えました。

「たくさんの経験がしたい」が叶うフリーランスの仕事とは

4人目に登壇した複業先生は、新卒フリーランスでデザイナー兼カメラマンとして活動した後、静岡県下田市を拠点に関係人口増加のための企画をしている株式会社しもズブ代表の藤井瑛里奈氏です。藤井氏が下田を拠点にしている理由は、フリーランスで働き始めた時に初めて下田を訪れて、下田の良さに魅了されたからとのこと。

藤井氏は、下田の魅力を多くの人に発信したいと思い、下田を拠点に「株式会社しもズブ」を設立しました。株式会社しもズブを通して藤井氏は、下田の良さを発信するSNS運用の支援事業と下田市・南伊豆町の関係人口づくりにおける企画運営を行っています。

しかし、学生時代はスポーツトレーナーになることが夢だったと語る藤井氏。ではどのような経緯で、スポーツトレーナーから下田のまちづくりにキャリアが移行したのでしょうか。

「私が下田の関係人口の増加にキャリアを移行した理由は、下田という町の良さを伝えたかったことと、自分が帰ってくる場所を下田につくりたかったことから来ています。また、下田を拠点にしつつも様々な人やもの、場所に出会いたかったため、オンラインで出来る仕事を選びました。」

藤井氏がキャリアパスの話をした後、子どもたちから「大学卒業後にフリーランスになったきっかけは何でしたか?」という質問が出ました。藤井氏は以下のように答えます。

「大学卒業後にフリーランスになったきっかけは、それまでスポーツの世界しか知らなかった自分がいることに気づき、社会人になったら色々な経験がしたいと思ったからです。フリーランスになれば、会社に就職するだけでは出会えない様々な人に出会えたり、多種多様な経験ができたりすると考えました。」

最後に藤井氏は、「自分がどんな人生を送りたいか」や「何をした時に楽しいと感じるか」を考えてみると人生の選択に迷ったときに道が開けてくるよと語りました。

『複業先生』だからこそ提供できる夢を見つける第一歩

今回4名の複業先生が登壇し、別々のキャリアパスを語る中でも共通していたのは「些細なことでも行動してみる」重要性でした。自分の好きなことや目標、日常の出会い、誰かからの何気ない一言に目を向けることが夢を見つける一歩につながるのでしょう。

そして我々LXはこれからも、子どもたちがまだ見ぬ世界を提供しつづけることで、子どもたちが夢を見つける第一歩の手助けをしていきたいと思いました。


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