授業実施レポート
【地域づくり体験】複業先生と未来小説を書こう〜地域を知る・探求するポイント〜@新潟県長岡市立小国中学校

2023年11月9日、新潟県長岡市立小国中学校にて複業先生が登壇。「小国の未来小説を書こう〜地域を知る・探求するポイント〜」をテーマに授業が行われました。授業の実施目的は、小国地域の魅力を知ること。

今回登壇した複業先生は、合同会社Orioriで代表を務める藤川かん奈氏です。藤川氏は、山形県遊佐町での取り組みや思いなどを紹介しました。

〈複業先生プロフィール〉藤川かん奈氏 合同会社Oriori代表

京都生まれ京都育ち。遊佐町在住。1児の母。2016年、遊佐町の地域おこし協力隊に就任。3年間、まちづくりや生涯学習の推進に携わる。その後、合同会社Orioriを設立。織に特化したブランド『Ori-ori japan』のプロデュース・運営、山形県内の小規模高校魅力化コーディネーターを主な事業とする。

「他の地域で活動している人に話を聞いてみたい」授業の実施目的と依頼背景

小国中学校の3年生の総合の時間には、中学校3年間の集大成として「小国の未来小説を書く」授業があります。小国には価値ある資源が豊富にあることに気づいてもらい、小国の資源がどのようにまちづくりに生かされているのかを未来小説の中でまとめることによって、主体的に社会と関わりを持つ姿勢を育むことを目的としています。

今回はその一環として、複業先生とともに授業と小国コミュニティ協議会の地域づくり委員(以下、CS委員)とのワークショップを実施しました。

120分で講演とワークショップを組み合わせた「授業概要」

▼授業概要

  • 日付:2023年11月9日
  • 授業時間:120分
  • 開催方法:オンライン
  • 学年:中学3年生
  • 設置区分:市立中学校
  • 複業先生名:藤川かん奈氏
  • 複業先生の職種:合同会社Oriori 代表

 ▼当日のトークテーマと授業コンテンツ

【前半部】藤川氏による授業「オモシロがる。」

  • 遊佐町の紹介
  • 藤川氏が遊佐町に移住するまで
  • 藤川氏が遊佐町に移住してから
  • 現在の藤川氏
  • 「遊佐のみらい小説」朗読
  • 質疑応答

【後半部】小国コミュニティ協議会のCS委員とのワークショップ

  • 自己紹介と感想シェア
  • 小国と遊佐の共通点は?
  • CS委員が中学3年生だったとき
  • 大切にしたい小国の◯◯
  • 藤川氏からのメッセージ

山形県・遊佐町の紹介|京都出身の藤川氏が遊佐町に移住するまで

授業の前半は、藤川氏や遊佐町の紹介から始まりました。さまざまなキャリアを持つ藤川氏に生徒たちは興味津々です。

CMを一度観たら忘れない!遊佐町にはこんな特徴がある!

まずは藤川氏が住む遊佐町の紹介からスタート。「遊佐町の人口はおよそ1万2千人。また人の顔の形をしているといわれている山形県で、遊佐町はおでこの場所に位置しているのが特徴です。

わたしは以前、遊佐町が山形県のおでこに位置している特徴をPRした15秒のCMを制作しました。制作したCM作品は2年連続で『ふるさとCM大賞』にて最優秀賞を受賞。おでこをモチーフにしたCMだけでなく、遊佐町の郵便番号が日本1多いことに注目したCMもつくりました」

▼CMはこちら

遊佐町ふるさとCM大賞(2016)「山形のおでこ」【公式】

生まれも育ちも京都なのに、なぜ遊佐町に?

現在、遊佐町に住んでいる藤川氏ですが、生まれも育ちも京都とのこと。そんな藤川氏が「なぜ、遊佐町に移住したのか」「遊佐町でどんな思いをもって活動しているのか」などについても話がありました。

「大学時代に遡ります。当時、国連で働きたい夢があったため、大学在学中は発展途上国を中心に世界を旅していました。発展途上国では、貧困ながらも楽しく生きる人たちを目の当たりにしました」

発展途上国で幸せに暮らす人々に出会う中で藤川氏は、地域コミュニティの重要性を感じたとのこと。

「帰国してから自分の故郷である京都で地域コミュニティ『笑学校』」を立ち上げました。廃校の校舎やお寺などさまざまな場を活用して、0歳からご年配の方までのあらゆる世代が共生できる授業や体験を提供しました」

活動を続けていた2015年。藤川氏は山形県酒田市内の大学で学生に向けた講演の依頼を受け、初めて山形県を訪れたそうです。

「山形県の魅力に魅了され2週間後には、山形県への移住を決意しました。『山形県で出会った人に恋をしたこと』『鳥・海・山などの自然に惹かれたこと』『先の見えない選択にワクワクしたこと』この3つがわたしの背中を押してくれました」

藤川氏が遊佐町に移住してから|地域おこし協力隊として3年間活動

ここからは、藤川氏が遊佐町に移住してから地域おこし協力隊として3年間活動しながら、日本の織と糸に特化したサステナブルブランド『織織』を立ち上げるまでの経緯を話しました。

「山形県で恋に落ちた人とお別れしたとき、ふと大学時代に好きになったイタリアに行ってみたくなったんです。イタリアではいろいろなご縁があり、着物を着て海に飛び込み作品を撮るプロジェクトに参加して。このプロジェクトに参加したことをきっかけに、日本の着物に興味を持ち、着物の生地が眠ってしまっている問題を知ったり、日本の着物に価値を感じたりするようになりました。

そこから廃材になった反物を再生し新たな価値を生み出すサステナブルファッションブランド『織織』を立ち上げ、製造から販売まで行う会社を設立しました。『織織』の事業として、遊佐町の地域づくりや教育にも携わっています」

ここからは藤川氏が移住当初にかかわっていた「地域おこし協力隊として活動した3年間」を振り返ります。

「移住したばかりの人口1万2千人の小さな町で活動していくには、遊佐町に住む面白い人たちと出会うことが大切だと考えました。『遊佐くっちゃべカフェ』を開き、地域住民との交流の場をつくりました」

藤川氏は『遊佐くっちゃべカフェ』での交流やワークショップを通して、日替わり店長のお店『ハントシストア』をオープン。「料理を振る舞いたい」「いろんな人とお酒を飲みたい」「居酒屋をやってみたい」という思いを持っている方々がやりたいことに挑戦できる場をつくれたようです。

遊佐高校が廃校の危機に迫られたときは、「遊佐高校魅力化プロジェクト」を立ち上げました。藤川氏は「高校が魅力的になると、人口が増える」という考えのもと、全国の高校生が遊佐高校に留学できる制度をつくります。その甲斐あって、遊佐高校は廃校の危機から免れ、毎年全国から留学する高校生たちを輩出しています。

現在の藤川氏|自分が一番オモシロがっているかに自問

これまでの経験を話したあと藤川氏は、「どんな環境でも自分の役割を見つけ、ワクワクする選択ができる力を身につけることが大事だ」と生徒たちに伝えました。

つい最近は、10日間デンマークに赴いたと語る藤川氏。教育や地域におけるコミュニティづくりを学んできたそうです。「今後も遊佐町の魅力を発信し続け、遊佐町を盛り上げていく」と語りながら、「自分が一番オモシロがっているか」を問いながら活動していると続けました。

最後に、小国中学校の未来小説に合わせて、藤川氏がつくった「遊佐の未来小説」を朗読。タイトルは「ジブンと遊佐町とセカイが交差する10年後の遊佐町」です。

藤川氏の小説を聞いた生徒たちは、小国地域の魅力創出に気づき、未来小説をかくヒントを得られたことでしょう。後半部では、生徒とCS委員で構成されたグループで輪になり、いくつかのテーマに沿ってワークショップを実施しました。

先生・生徒の感想まとめ

「地域の魅力に気づくヒントになった」|先生の感想

  • 藤川氏の授業やCS委員とのワークショップを通して、生徒たちにとって「理想的な30年後の小国の姿」を考えるきっかけをつくれました
  • 藤川氏の活動や小国の価値を知った生徒たちは、地域の魅力に気づくヒントを得られたと思います

また、地域おこし協力隊について話されていたエピソードも大変参考になり、生徒たちが日常から何事にも「オモシロがれる」ように呼びかけていきたいという声をいただきました。

「小国にしかない価値を大切にしていきたい」|生徒の感想

  • 生徒からはさまざまな感想が寄せられました。
  • 遊佐町は「山形県のおでこ」に位置することを初めて知った
  • 地域おこし協力隊としてさまざまなことを仕掛けている姿に感動した
  • 伝統文化、自然、お米など小国にしかない価値を知れたので、これから大切にしていきたいと思った

今回の授業では、遊佐町での取り組みを事例に、地域の魅力を創出することやその思い、活動を行う上で大切にしている姿勢を伝えることができました。

『複業先生』に関してまずはお気軽にお問い合わせを!

今回の記事では新潟県長岡市立小国中学校にて行われた、地域の魅力創出や地域を知る大切さについての授業をご紹介しました。自分たちが暮らす地域についての魅力や、そこにしかない価値に気づくことは、中学生にとってなかなか難しいもの。

しかし、藤川氏のような海外経験や移住経験が豊富な複業先生に登壇いただくことで「改めて自分の地域にしかないものに気づき、誇りを持てるようになる」。そんな環境を生徒たちに提供できます。

今回の記事を読んで「他校の事例も見てみたい」「『複業先生』について具体的に知りたい」「学校の先生とのつながりをつくりたい」と思われた学校の先生方、まずはお気軽にご相談ください。


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