授業実施レポート
中学3年生「がん教育」の授業:「現医師から学ぶがんの基礎知識といのちの尊さ」

授業の概要

  1. 授業のテーマ: がん教育 – がんの現状と予防、そしていのちの尊さについて考える
  2. 対象学年: 中学校3年生
  3. 授業の目的
    • がんに関する正しい知識を身につける。
    • がんは決して他人事ではなく、自分自身の問題として捉え、健康について主体的に考えるようになる。
    • がん予防の大切さや早期発見の重要性を理解する。
    • 命の尊さについて考え、より良く生きるために何ができるかを考える。
  4. 「複業先生」の活用方法
    • 3クラス合同のオンライン授業形式で実施。
    • 先生による講義形式をベースに、生徒からの質問を受け付ける時間を設けるなど、双方向のやり取りを取り入れた

『複業先生』有路登志紀さんのご経歴

有路登志紀さん(消化器外科医)

https://fukugyo-sensei.net/teachers/329

1987年生まれ。

群馬、埼玉、東京の救急病院にて消化器外科医として11年勤務し、緊急手術から腹腔鏡手術、緩和ケアまで幅広く経験。海外ボランティアで参加したミャンマーでの活動経験あり。

2021年から2年間人口200人の沖縄離島にある島唯一の離島診療所の医師として勤務。医師である妻とともに2人で医師業をシェアしながら、生後3ヶ月の長男を子育てした育児経験あり。

その後は、2024年より都内クリニックに勤務中。

現医師から学ぶ「がん教育」

有路医師は、生徒たちががんについて「自分ごと」として捉え、健康について主体的に考えるきっかけとなるような授業を展開しました。

まず、自身の自己紹介を通して、医師という立場から、これまでに多くのがん患者と関わってきた経験を語り、生徒たちの関心を惹きつけました。

  • がんの現状: 日本人にとって、がんは身近な病気であり、二人に一人が生涯のうちにかかると説明しました。高齢化社会の影響で、がん患者が増加傾向にあることについても触れました。
  • がん発生のメカニズム: 細胞分裂の際に起こる遺伝子の突然変異が、がん細胞を生み出す仕組みを、図を用いながら分かりやすく解説しました。
  • がんの予防と早期発見: がんのリスク要因(喫煙、食生活、ウイルス感染など)や、がん検診の重要性を説明し、健康的なライフスタイルを維持することの大切さを強調しました。
  • がんの進行ステージと治療法: がんの進行度合いを示すがんステージ(ステージ0~4)について解説し、早期発見であれば完治の可能性が高いこと、ステージが進むにつれて治療が困難になることを説明しました。
  • がん治療の現状: 手術療法、化学療法、放射線療法など、がん治療の現状について、具体的な事例を交えながら解説しました。

医師として経験した「死」と「命」生きることの尊さ」

 多くの患者さんの最期に立ち会ってきた経験から、死は誰にでも訪れるものであり、いつ訪れるかわからないことを生徒たちに語りかけました。

限られた時間をどのように生きるか: 「メメント・モリ(死を想え)」という言葉を引用し、死を意識することで、今を大切に生きること、自分の人生と向き合うことの重要性を説きました。

また、授業の後半では、生徒たちからの質問を受け付ける時間を設けました。

  • 「がんにならないためには何を食べたら良いか」「がん検診はいつから受ければ良いのか」「がんは遺伝するのか」など、多くの質問が寄せられ、有路医師は一つ一つ丁寧に答えました。

参加した子どもたちの感想

  • がんに対する意識の高まり: 「二人に一人ががんになることに驚いた」「がんは身近な病気だと感じた」など、がんに対する意識が高まったという意見が多く見られました。
  • 予防の重要性の理解: 「食生活や生活習慣に気をつけたい」「ワクチンについて調べてみたい」など、がん予防について具体的に行動に移そうとする姿勢が見受けられました。
  • 早期発見の重要性の認識: 「症状がなくても検診に行くことが大切だとわかった」「親にも検診に行くように伝えたい」など、早期発見の重要性を認識し、周囲の人にも伝えようとする様子が伺えました。
  • 命の尊さについて: 「限りある時間を大切に生きていきたい」「周りの人に感謝を伝えたい」など、命の尊さについて改めて考えさせられたという感想が寄せられました。

今回の授業は、外部人材である医師の専門知識と経験を活かすことで、 生徒たちにとって、がんについて深く学び、 健康について主体的に考える貴重な機会となりました。

また、生徒たちからは、授業内容に対して非常に高い満足度を示す意見が多く寄せられ、 「がん教育」を推進する上で、外部人材の活用が 有効であることが示唆されました。

今後も、『複業先生』のようなマッチングサービスを活用し、 学校教育の現場に、社会で活躍する多様な外部人材を 積極的に導入していくことが重要です。

生徒たちにとって、社会との接点を増やし、 多様な価値観に触れることは、 豊かな人間性を育み、未来を担う人材を育成することに 繋がると考えます。

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ぜひ、どう活用できるか分からないが話を聞いてみたい!という方もご参加ください。
心よりお待ちしております!


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