① 授業の概要
1. 授業のテーマ
「平和ってなんだろう? ~紛争地での体験を通して考える~」
2. 対象学年
小学校6年生
3. 授業の目的
- 世界で起こっている紛争の現状や、紛争が人々にもたらす影響について理解を深める。
- 平和の尊さや大切さについて考え、平和な社会を築くために自分にできることを考える態度を育む。
- 外部人材との交流を通して、社会に対する関心を高め、視野を広げる。
4. 「複業先生」の活用方法
- オンライン会議システムを用いた遠隔授業という形式で、熊崎さんに授業を行っていただいた。
- 授業前に、小学校教員と熊崎氏で、対象学年の発達段階や学習状況、授業のねらい等を共有し、授業内容や進め方について打ち合わせを行った。
『複業先生』熊崎雄大さんのご経歴
熊崎雄大さん
https://fukugyo-sensei.net/teachers/2072
専門: 紛争地域における教育、子どもの保護。米国コロンビア大学教育大学院にて、紛争地域における教育などを研究。学生主体の団体や、国際NGO、国連機関などで合計4年間、途上国や紛争地の教育に携わっている。これまでに携わってきた国はラオス・イエメン・レバノンなど。
世界で起こる紛争の実情、平和ってなんだろう?
複業先生から「平和ってなんだろう?」と問いかけ、子どもたちに自由に意見を出してもらいました。複業先生の熊崎氏を紹介し、平和学習を行う意義について説明しました。概要は以下の通り。
- 自己紹介を通して、紛争地域における教育や子どもの保護活動に従事するに至った背景や、仕事内容について説明。
- レバノンでの体験談(空爆の様子、避難の様子)を具体的に語ることで、紛争の現実をより身近に感じ取れるようにする。
- 紛争とは何か、紛争によって人々の生活にどのような影響があるのかについて、動画や資料を用いながら分かりやすく説明。
グループワーク(隣の人と対話)
- 「もしも、自分の身の回りで武力紛争が起こったらどうなるか」について、子どもたち自身に考えさせ、グループで意見交換を行いました。
- グループワークを通して、紛争がもたらす様々な影響(人々の死傷、生活基盤の破壊、精神的な苦痛、教育の機会の喪失など)について、多角的に考えを深めていきました。
少年兵の事例紹介
- さらに架空の少年兵「ムハマド」の物語を通して、子どもたちが少年兵の問題について深く考えるきっかけを与えていきました。ムハマドが少年兵にならざるを得なかった背景や、少年兵として経験した苦しみ、社会復帰の困難さなどを、感情移入しやすいストーリーで伝える。
ディスカッション
- ムハマドの物語を踏まえ、「ムハマドのような少年を減らすためには、私たちに何ができるか」について、子どもたち同士で自由に意見交換を行う。
- 差別や偏見をなくすことの大切さ、経済的な貧困を解消することの重要性、教育の機会均等の必要性など、様々な視点から意見を引き出す。
まとめ
- 改めて「平和とは何か」について考え、平和な社会を実現するために一人ひとりができることを意識付けする。
- 授業で学んだこと、感じたことをもとに、今後の生活の中でどのように行動に移していくか、具体的な行動目標を立てさせる。
参加した子どもたちの感想:平和は「戦争がないだけじゃない」
授業後、子どもたちからは以下のような感想が寄せられました。
- 今も世界では戦争が起こっていて、たくさんの人が苦しんでいることを知った。
- テロリストや少年兵は、本当は悪いことをしたくてやっているわけではなく、 私たちと同じように、それぞれ事情を抱えていることを知って驚いた。
- 平和は、戦争がないということだけでなく、誰もが差別や貧困に苦しむことなく、幸せに暮らせることだと気づいた。
さらに、子どもたちからは今後・自分たちの行動目標とともに授業を受けたことで意識の変化が見えました。
- ニュースをもっとよく見て、世界の出来事に関心を持つようにしたい。
- 困っている人がいたら、国籍や立場に関係なく、助け合えるようになりたい。
- 募金活動など、自分にできることから平和のために貢献したい。
- 毎日の生活が当たり前ではないことに気づき、感謝の気持ちを持つようになった。
- 世界の出来事を「遠い国の話」ではなく、「自分にも関係のあること」として捉えるようになった。
- 平和な社会を実現するために、自分にもできることがあると実感できた。
今回の授業は、紛争地域の現状や平和の大切さを、子どもたち自身の問題として捉えさせるための工夫が随所に凝らされていました。 特に、複業先生である熊崎氏の体験談は、子どもたちの心に強く響き、平和について深く考えるきっかけとなったと言えます。
「紛争」や「テロリズム」といった難しいテーマを扱う際には、ともすれば、子どもたちは恐怖心や嫌悪感を抱き、目を背けたくなるかもしれません。 しかし、本授業では、熊崎氏が自身の経験を通して、紛争の悲惨さだけでなく、その背景にある複雑な社会構造や、 そこで生きる人々の苦悩についても丁寧に語っていた点が印象的でした。
また、架空の少年兵「ムハマド」の物語を通して、子どもたちは、加害者とされる側の視点に立って考える機会を得ることで、固定観念にとらわれず、物事を多角的に捉えることの大切さを学び、自分だったら…と想像しながら、真剣に耳を傾けていました。。
さらに、グループワークやディスカッションを通して、子どもたちは、平和について主体的に考え、意見を交わし合う中で、 それぞれの考えを深め、新たな視点を得ることができました。。
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