2024年7月31日、学校と外部人材をつなぐマッチングサービス「複業先生」を提供するLX DESIGNは、「探究学習」をテーマとしたオンライン勉強会を開催しました。
「教育現場に自身の経験を還元したい」というゲスト松村幸太さんの熱い想い
今回の勉強会では、ゲスト講師として松村幸太さんが登壇しました。松村さんは、公立・私立高校で20年間教員を務めた後、2023年3月に東京都立高校を退職。現在は地域密着型の学習塾を経営しながら、「複業先生」として活動しています。
教員時代には、総合的な学習の時間やSSH(スーパーサイエンスハイスクール)における探究学習、研究活動などに長く携わってきた経験を持ち、探究学習の教材作成にも精通しています。2022年には、日産財団が主催するリカジョ育成賞で準グランプリを受賞するなど、その活動は多岐にわたります。
松村さんが「複業先生」に登録した動機は、
「長年探究学習に携わってきた経験を活かしたいという気持ちと、
多忙な現役の先生方の負担を少しでも減らし、教育現場に貢献したいという思い」
からだそうです。
探究学習の課題は、日常の課題解決から
松村さんは、長年の教員経験を通して、探究学習には教員、生徒双方にとって多くの課題があると実感してきたと言います。
松村さんが見てきた従来の探究学習では、
- 生徒は「探究学習の必要性を実感できない」「テーマが見つからない」「調べ学習との違いが分からない」
- 教員は「教材作りが大変」「生徒の興味関心を維持するのが難しい」「評価方法が難しい」
といった課題に直面することが多くありました。
そこで松村さんは、
「日常の課題解決」
をテーマとした探究学習を提案しています。
従来型の「大きなテーマから問いを立て、調査・研究を進めていく」というトップダウン型の探究学習ではなく、
「生徒自身の身近な疑問や課題を出発点にする」
というボトムアップ型の探究学習です。
松村さんは、この「日常の課題解決」型の探究学習には、
- 生徒にとって身近なテーマであるため、興味関心を持ちやすく、主体的に取り組める
- 教員は、答えが決まっていない問いについて生徒と共に考え、サポートする役割を担うため、負担が軽減される
というメリットがあると説明します。
「日常の些細な疑問や課題の中にこそ、探究の種が眠っている」
具体的な事例として、松村さんはSDGsと「アイカサ」のサービスを挙げました。
- 「外出した時に雨が降ると困る」という日常的な課題から、ビニール傘の大量廃棄という環境問題について考え、その解決策として生まれた「相傘」のサービスについて理解を深める。
生徒たちは、
「ビジネスは、誰かの問題を見つけて解決すること」
であり、
「日常の些細な疑問や課題の中にこそ、探究の種が眠っている」
ことを実感することができます。
東京都中学校での実践例
松村さんは、「複業先生」として、東京都の中学校3年生を対象に、この「日常の課題解決」型の探究学習の授業を実践しました。
- 授業内では、生徒自身が「身の回りにある課題」を発見し、解決策を考えるワークショップ形式で実施
- 生徒たちは、活発に意見交換を行い、グループワークを通して主体的に課題解決に取り組む様子が見られた
事後アンケートでは、
- 「探究学習とは何か、よく分かった」
- 「自分たちの身の回りにも、探究できるテーマがたくさんあることに気づいた」
- 「将来の仕事について、考えるきっかけになった」
など、肯定的な意見が多く寄せられ、生徒たちの意識の変化が見られました。
探究学習は、複業先生に頼ってもいい
今回の勉強会では、松村さんの「日常の課題解決」型の探究学習の実践例を通して、
「生徒の主体性を育む探究学習の糸口が掴めた」
そして
「多様な専門性を持つ外部人材と連携する未来の教育の可能性を感じることができた」
と参加した先生方からもコメントがありました。
「複業先生」というプラットフォームは、多忙な教員の負担を軽減し、専門性が高く、普段出会えない複業先生の授業を提供することで、子どもたちの未来の可能性を広げる大きな可能性を秘めています。
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