授業実施レポート
【部活動における地域移行の実践例】フリー司会者が放送文化部に伝える「発声で大切なこと」@熊本市立桜山中学校

2023年2月24日、熊本市立桜山中学校にて複業先生を活用した部活動実践の場がありました。

今回登壇してくださった複業先生は、フリー司会者として活動している矢内洋美氏です。矢内氏は、基本的な発声練習や発声において大切なこと、発声の楽しさについて語りました。

<複業先生プロフィール> 矢内洋美氏 フリー司会者

【MC】ファンクラブ総会司会/ファン感謝祭司会/山野楽器演歌祭り司会/山野楽器銀座ジャムスポット司会/百貨店食品フロアクッキング教室司会/タレント記者会見司会/新宿ステーションスクエア新曲発表会司会/大衆演劇舞台公演総合司会/ディナーショー/コンサート司会/全国歌謡フェスティバル本選(新宿コマ劇場/中野サンプラザ/明治座)/レコード会社主催カラオケ全国大会司会/タレントトークショー/美容系新製品発表会司会

【TV】通販チャンネルイメージモデル/コメント/ナレーション

【その他】披露宴司会/結婚式アテンド(教会)/人前式進行(教会)/パーティー司会

【講師】新人アナウンス研修/朗読講座講師

コロナ禍での活動縮小化…「子どもたちに発声練習の方法や発声の楽しさを伝えたい」授業の実施目的と依頼背景

今回授業を実施したのは、桜山中学校の放送文化部。桜山中学校の先生方からは「コロナ禍での活動縮小化により、発声練習やコンクールへの参加が満足にできない」という課題を抱えており、「子どもたちに発声練習の方法や発声の楽しさを教えてほしい」という依頼を受けました。

複業先生を引き受けてくださったのは、フリー司会者として活躍する矢内洋美氏。「複業先生と一緒に、声を出す楽しさを知ろう!はじけよう!」をゴールに、基本的な発声練習から芸能活動のキャリア、「声」を使うことにおいて大切なことを教わりました。

「声を出す楽しさを知ろう!」をゴールに進行した授業概要

▼授業概要

  • 日付:2023年2月24日
  • 授業時間:50分
  • 開催方法:オンライン
  • 授業形態:グループワーク形式
  • 参加人数:8名
  • 学年:放送文化部の中学1-3年生
  • 設置区分:公立中学校
  • 複業先生名:矢内洋美
  • 複業先生の職種:アナウンサー、司会者

▼当日のトークテーマと授業コンテンツ

  • フリー司会者の『複業先生』と放送文化部の生徒それぞれの自己紹介
  • 腹式呼吸と口の開け方のポイント
  • 矢内氏は人前で話すときに気をつけていること
  • 矢内氏が考える発声で大切な3つのこと

フリー司会者の『複業先生』と放送文化部の生徒それぞれの自己紹介

フリーの司会者として活躍する矢内洋美氏は、冒頭に「音楽ステージや化粧品の新商品発表会など、様々な場所で司会者を務めています。現在は新人タレント・司会者の育成なども担当しています。今回は中学生の皆さんにも教える機会をいただいて嬉しいです。」と自己紹介をしました。

矢内氏の自己紹介の後は、今度は放送文化部8名による自己紹介の時間。生徒自身が放送文化部に入部した理由やこれからやってみたいこと、1日の中で好きな時間、将来の夢などを語りました。

自己紹介で自身の好きなことや夢を語る生徒たちに、感心した矢内氏。また、全体を通して次のような感想を述べました。

「皆さん、滑舌がよく、声もとてもきれいです。何より、正しいアクセントやイントネーションを使えていて本当に素晴らしいと思います。『選ばれた方たちがここにいるのかな』という印象を受けました。」

大切なのは「腹式呼吸と口の開け方」現役フリー司会者による、熱心な発声練習

続いて、発声練習の時間に移りました。まずは、矢内氏が基本の姿勢について説明します。

「両足にげんこつ1つ分の間隔を開けて立ちます。腕を後ろに回してストンと落とし、肩の力を抜いてください。このとき、お腹に力が入ってしまうため、お尻が後ろに出ないように気をつけてください。」

姿勢を整えた生徒たちは、矢内氏の合図に合わせて実際に声を出します。生徒たちの声を聞いた矢内氏は、次のように指摘しました。

「今の皆さんの声の出し方は、『普段本を読むときと同じような方法』。これでは、発声練習になりません。」ここで大切なのが、腹式呼吸だと言います。

「空気を吸ったときにお腹が膨らみ、吐いたときにお腹がへこむ。これが、腹式呼吸です。発声練習でも腹式呼吸を使って、お腹から声を出すように意識しましょう。喉に負担をかけず、大きな声を出せますよ。」

「腹式呼吸はいつでも練習できるので、家でテレビを見ているときにもやってみてください」と矢内氏は添えました。

続いて実践したのは「口の開け方」。矢内氏によると、発声するときの最適な口の開け方は人によって違うそうです。

「私は『つ』の発音が苦手で、私の声をマイクに通すと『ちゅ』と聞こえてしまいます。そのため、口の開け方には気をつけています。苦手な発音は人によって異なるので、ベストな口の開け方も人それぞれです。それでは実際に、『あ・い・う・え・お』と口を開けてみましょう。」

生徒たちは、矢内氏の前で「あ・い・う・え・お」と口を開きました。

言葉には音符がついている!「人前で話す時に気をつけること」や「発声で大切な3つのこと」とは?

矢内氏は発声において、発声練習で触れた「腹式呼吸」に加え、「高い声を出すこと」「水を飲むこと」の3つが大切だと言いました。

「高い声の方が、聞き心地がいいと言われています。アパレル店員さんも、『いらっしゃいませ』と高めの声を出しますよね。高い声を出すことに慣れておくと声帯に負担がかかりませんし、皆さんの印象もよくなりますよ。」

続いて、矢内氏は「水を飲むこと」についても触れました。

「発声練習等で声を出した後は声帯が熱くなりますから、常温の水でクールダウンすることが大切。放っておくといつか声がカサカサになってしまいます。皆さんのきれいな声を大人になってもキープするためにも覚えておいてほしいです。」

生徒から「人前で話すときに気をつけるべきことは?」という質問があがり、矢内氏は次のように回答しました。

「気をつけるべきなのはゆっくり話すことです。上品に聞こえますし、伝えたいことが伝わりやすくなります。とくに給食の放送など、皆さんが話し慣れている場ですと、早口になってしまう傾向があるので気をつけましょう。」

さらに応用テクニックとして、「伝えたいことをとくにゆっくりと話す」方法について触れました。

「伝えたいことのみゆっくり話せば、抑揚が生まれます。例えば『お昼の放送です』といったお馴染みのアナウンスは若干早口で、CDを流すときに曲名やアーティスト名はゆっくり話すというイメージです。」

最後に、声を出すことの楽しさについて、矢内氏は次のように触れました。

「皆さん、音楽は好きですか?実は、全ての言葉には音があります。皆さんが『こんにちは』という普段何気なく発する挨拶も、例外ではありません。

文章を読み上げるときは、言葉に音符がついていることを意識し、強調したり高めの声で話したりしましょう。すると、相手への伝わり方が全く変わります。言葉は音楽だと思うと、楽しく話せるはずですよ。」

『複業先生』に関してはまずはお気軽にお問い合わせを!

今回の記事は、熊本市立桜山中学校にて行われた、複業先生を活用した部活動における地域移行の実践例についてご紹介しました。『複業先生』を活用した授業では、キャリア教育やグローバル教育だけでなく、部活動における地域移行としてもご活用いただけます。

今回の記事を読んで「他校の事例も見てみたい」「『複業先生』について具体的に知りたい」「学校の先生とのつながりをつくりたい」と思われた学校の先生方、まずはお気軽にご相談ください。


share:

関連記事

記事カテゴリー
教育Tips
ノウハウ
chevron_right
トレンド
chevron_right
インタビュー
レポート
LX DESIGNについて
お知らせ
chevron_right
カルチャー
chevron_right
プロダクト
chevron_right
メンバー紹介
chevron_right