2022年12月14日、長野日本大学高等学校にて複業先生を活用した探究学習が行われました。
今回登壇した複業先生は、LX DESIGN(以下:LX)代表の金谷。今回の授業で金谷は、生徒が各々展開しているプロジェクトについて、アドバイスとメンタリングを行いました。
<複業先生プロフィール>金谷智 LX DESIGN 代表取締役社長
1990年、富山県生まれ。 高岡高校、東京学芸大学 教育学部を卒業後、公立小学校学級担任などを経て、教育系スタートアップ(株)LXDESIGNを設立。 教育特化型複業プラットフォーム”複業先生”を中心に、テクノロジー×教育領域のサービスを全国展開。創業時につくった教育系大学生のためのLXゼミは年間参加者300名を超えるコミュニティに。都内私立大学での客員教員、地元富山大学での授業など、国、行政、企業、多様なプレイヤーを巻き込んだ、学校の新たな関係人口創出エコシステムに注力。
「自分自身のビジョンを実現してほしい」先生方の想いを実現した授業の実施目的と依頼背景
今回授業を受けたのは、長野日本大学高等学校の探究創造学科。探究創造学科は「自分の”好き”な分野で活躍し、社会に価値を生み出せる人」を目指すべき人物像に掲げ、自分の課題探究やプロジェクトに取り組んでいるコースです。
しかし生徒は、自分の課題研究やプロジェクトに取り掛かっているものの、進め方に課題を感じている時期でした。目的が利他的もしくは利己的に寄りすぎていて、本当に実現したいことを見失っているのではないかと、先生方は不安を感じていました。
そこで、金谷自身のビジョンの描き方から、仲間集め、仕組みづくり、社会に価値を提供するまでのストーリーを聞き、自分の課題研究やプロジェクトを見直すきっかけをつくることを授業の実施目的として設定。また金谷が個々のプロジェクトを見て、フィードバックを送る時間も設けました。
金谷のアドバイスとメンタリングにより解像度が上がった授業概要
▼授業概要
- 日付:2022年12月14日
- 授業時間:2時間
- 開催方法:オンライン
- 講義形式:グループワーク形式
- 参加人数:11名
- 学年:高校1年生
- 設置区分:私立高等学校
- 複業先生名:LX DESIGN代表取締役社長 金谷智
▼当日のトークテーマと授業コンテンツ
- 長野日本大学高等学校の学生が、各々のプロジェクト活動を発表
- 金谷が、プロジェクトをよりよくするためのアドバイス・メンタリングを実施
探究プロジェクト1:陸上競技の様子を分析し、技術向上を目指せるスポーツプロジェクトをつくりたい
最初に発表してくれた生徒は、陸上競技部でハードル走に励むAくん。
「僕のビジョンは、多くの人が楽しく、怪我なく、技術向上を目指せるプロジェクトをつくること。ビジョンの実現にあたり、スポーツ分析によって効果的な練習メニューを考案するプロジェクトを発足しました。」
プロジェクトでは実際に競技中の様子を録画。その上で、フォームの乱れやハードル同士の間隔などの観点から、タイムとの相関関係を分析しているといいます。
「まだまだ分析結果が足りず、自分に不足している要素を洗い出せていないのが現状です。今後はさらに分析の精度を上げて、部員全員にとってプラスの影響を与えられるように頑張ります。」
発表を終えたAくんに、金谷は激励の言葉を送りつつ、次のようにアドバイスしました。
「動画解析を通してスポーツ分析をするのであれば、パソコンや機械に強い子とタッグを組んでみてはどうでしょうか。映像解析の精度が上がることはもちろん、Aくんとは違う趣味・経験を持つ人を巻き込むことで、新たな発見があるかもしれません。」
またプロジェクトの今後について、金谷は次のように語りました。
「Aくんが認識している課題と、他の部員が抱えているであろう課題は必ずしも一致するとは限りません。自分以外の視点を意識することで、新たな課題が見えてくるかと思います。」
金谷自身も、LXの事業で学校課題を解決するにあたり、現場に出られている先生の声に積極的に耳を傾けているそうです。「関係者と常に対話し、課題を言語化することが大切」と、自らの経験も踏まえてアドバイスを送りました。
探究プロジェクト2:昔から大好きなアートを通して、環境問題を解決したい
続いての発表者は、昔から絵を描くことが好きなBくん。現在は、“懐かしさを感じさせる田舎の風景画”を描くことに没頭しているそうです。
一方、昨今話題になっている環境問題によって、「懐かしく美しい風景」が失われてしまうことにもどかしさを感じているといいました。
「昔ながらの美しい風景が環境問題によって失われてしまうことの悲しさを絵画で表現し、環境問題の解決に向けた啓発活動を行っていきたいです。」
発表終了後、金谷は「絵画と環境問題を掛け合わせた斬新なプロジェクトだ」と賞賛の言葉を送りました。また、次のようにアドバイスもしました。
「プロジェクトを進めるにあたって、『描きたいもの』と『描かなければいけないもの』があると思います。懐かしさのある絵を描きたい一方で、プロジェクトを成功させるには環境問題を示唆する要素を盛り込まなければなりませんよね。」
金谷によると、プロジェクトにおいて「やりたいこと」と「やるべきこと」を言語化すると、描くものがより明確になるそうです。
「一方で、あなたが描きたいものを突き詰めた結果、誰かの解釈が広がることもあります。絵を見てくれる人の考えに無理に合わせなくても、善意で理解を示してくれる人はいずれ現れるでしょう。」
金谷がリリースした『複業先生』も、はじめはなかなか周囲に理解を得られなかった。しかし、諦めずに続けていくと次第にサービスに対して前向きな意見をもってくれる人が増えてきたそうです。
自身の経験を踏まえ、「やりたいことを続けて行った先に見えるものがある」と、B君の背中を押しました。
『複業先生』に関してはまずはお気軽にお問い合わせを!
今回の記事は、長野日本大学高等学校にて行われた、複業先生を活用した探究学習についてご紹介しました。AくんもBくんも多種多様な視点から発表を行い、金谷からのアドバイスとフィードバックにより、プロジェクトの解像度が上がった時間となりました。
今回の記事を読んで「他校の事例も見てみたい」「『複業先生』について具体的に知りたい」「学校の先生とのつながりをつくりたい」と思われた学校の先生方、まずはお気軽にご相談ください。