授業実施レポート
自分にできることはなんだろう?強みを活かして未来を切り開こう

防災は「誰もが向き合うべき大切なテーマ」です。 今回の授業では、外部人材マッチングサービス『複業先生』を活用し、広報のプロフェッショナルであり、東日本大震災の被災経験を持つ渡邊千紘氏が子どもたちに防災やキャリア形成の重要性を伝えました。 授業では震災体験を通じた命の大切さや、社会への貢献のあり方について学ぶことができました。

【複業先生:渡邊千紘氏】
東日本大震災をきっかけに公務員として従事し、PRの重要性を認識。上京後は医療系企業や外資系フードサービス企業で広報戦略策定等に従事。2023年11月に独立し、2024年3月に合同会社UpSpireを設立。スタートアップ、中小企業、自治体や教育機関のPRブランディングやマーケティングを支援。探究学習やキャリア教育など多様なテーマで講演活動を行うほか、小中高校で授業サポートも担当。育児と両立しつつ、自身の経験を活かし、コミュニケーションの力で社会に貢献することを目指しています。

【複業先生とは】
教育現場が、多様な外部人材に授業を依頼できる外部人材活用サービス。教室に新しい視点や社会とのつながりを取り入れることで、子どもたちに実践的な学びを提供します。

郷土愛と主体性を育む防災授業

授業は、渡邊氏の自己紹介から始まりました。趣味であるキャンプやダイビングの話題で生徒たちの心を和ませた後、自身のキャリアについて語りました。地方公務員、企業広報、そして起業という、異なる3つの分野で培った経験を振り返りながら、広報という仕事の役割をわかりやすく解説しました。

続いて、東日本大震災の話題に移り、当時の状況を記録した動画を生徒たちに紹介しました。津波の映像は、生徒たちに大きな衝撃を与えました。渡邊氏自身も動画を見ながら当時の恐怖を思い出す様子を見せ、震災の深刻さを改めて伝えることで、生徒たちに命の大切さを訴えかけました。

この授業の狙いは、渡邊氏の震災体験や故郷への思いを知ることで「郷土愛を育む」こと、そして自らの役割を果たしながら将来を切り開いていく姿勢を学ぶことにあります。渡邊氏は「好きなことや自分の進路を考える機会が増えていくので、自分自身に目を向けて得意なことや好きなことを考えることが大切」と生徒たちにメッセージを送りました。

震災を経験した渡邊氏は、「故郷を救いたい」という思いを胸に、自身の強みを生かした活動を開始しました。「分かりやすく伝える」「人に協力を仰ぐ交渉力」「人の長所を引き出す力」という3つのスキルを活用し、仙台市職員として防災啓発活動や全国への情報発信、地域活動の広報支援に取り組みました。

ワークショップで学ぶ「『自分にできること』の考え方」

渡邊氏は授業の後半で、給食当番を題材にしたワークショップを実施。生徒たちは、自分の強みを活かしてどのように行動するかを考えました。

渡邊氏はどの意見も肯定的に受け止め、生徒たちに「多様な視点を持つこと」の大切さを伝えました。「どの選択にも良さがあり、状況に応じて考えられることが重要」と語ります。

また、生徒たちはワークショップを通じて、主体的に行動する力や協力の重要性を体験的に学ぶことができました。

学びの振り返りから広がる次の行動

授業の最後には、学びを振り返りました。「自分の長所を活かして困っている人を助けたい」など、生徒たちから前向きな感想や行動目標が寄せられました。 また、質疑応答では「震災当時の状況」や「津波への備え」について多くの質問が寄せられ、渡邊氏が一つひとつ丁寧に答えました。

「複業先生」で届ける新しい学び

渡邊氏の授業は、防災教育だけでなく、キャリア形成や社会貢献への意識を育む特別な体験となりました。専門家ならではの実践的な知識とユニークなアプローチは、学校教育に新しい風をもたらします。

これからも『複業先生』は、教育現場に外部の視点を取り入れることで、子どもたちの未来を広げるサポートを続けていきます。防災に限らず、さまざまな分野での活用が期待されるこのサービス。授業が変わることで、子どもたちの未来もさらに広がっていくことでしょう。

防災を学ぶって面白い!

授業後には、「もっと防災について学びたい!」「自分にもできることがあると思った!」という声が続々と寄せられました。震災の記憶を風化させないと同時に、自分の力で未来を切り開く意識が芽生えたことが、この授業の大きな成果です。

授業が変わる、未来が広がる。その一歩が、ここから始まります。


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